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Kyoto Sanga F.C. & Takarazuka Review and etc.

『奇々怪々 お化け浮世絵展』美術館「えき」KYOTO

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大体3年に一度くらいの頻度でお化け・幽霊・妖怪系の展覧会が沢山ある年があるんだけど、今年がそれに該当。…トリエンナーレなのかと本気で疑うくらい、こういう系の展示ってある年に集中してる気がする。

で、この展示、京都駅の伊勢丹の美術館ということで、海外向けの英語の説明書きにもスペースを取っていて、そもそも「浮世絵とは」みたいな説明もあったりして。

また、入り口からも柳に破れ提灯という、日本的な「幽霊のアイテム」でデコレーションされていて、いかにもな「幽霊」っぽい入り口でした。場所によっては古井戸も置いてあったり。


冒頭は幽霊系の浮世絵から。とはいえ、幽霊と言うよりは歌舞伎の一場面を切り取ったものが多かった印象。特に歌舞伎という説明が無いものでも、短冊には坂東某や片岡某という役者の名前が書かれているので、結局は幽霊画というよりも「幽霊役の役者絵」という感じ。

とはいえ、この時代にはそれだけ幽霊モノの上演が行われてたということで、怪談ブームだったんだなぁ…っていう。

ただ、こはだ小平次が歌舞伎が多いのに対して、四谷怪談であるとか、累、皿屋敷は役者じゃなく幽霊そのものが描かれてるのはそもそも怪談自体が知名度ありすぎたからなんだろうか。特にお岩さんなんて、いろんな姿で(特に提灯が多いけど)描かれてて、役者絵のスタイルを取らなくても知名度MAXなんだもんなぁ…。

そういえば、江戸時代も中期以降に妖怪がブームになったのは、太平の時代に「博物学」というか、色々なものを収集して、体系づけて、分類するっていうことが行われたから、妖怪みたいな「説明のつけづらいもの」に無理やり説明をつけて細分化したから種類も膨大になって、かつ説明付けられたから図像表現もしやすくなって…今に至るんだとか。

そういうのが相まって、一大妖怪・幽霊・怪談ブームが起こったのが幕末近い時期のことで。

話がそれた。

有名どころの浮世絵が沢山並んでいて、葛飾北斎の百物語シリーズや月岡芳年の各種作品、歌川国芳の木曽街道六十九次、これは確か何年か前に図録か何かを手に入れた記憶があるんだけど、木曽街道の宿場の名前を判じ絵みたいにして、幽霊画にした一連の作品、例えば「長久手」なら「長く(伸びた幽霊の)手」みたいな感じ。もちろん69枚全部並んでいる訳ではなくて。内数枚が、それぞれのテーマにそった別々の所に並んでいた感じ。

他にも福原京での怪異の数々を描いた清盛の浮世絵であるとか、化け猫シリーズとか、ホントに有名すぎて見覚えがあるものが沢山。

妖怪はどちらかと言えば、「妖怪退治」の側面からのものが展示されていて、その場合の主役は源頼光(と頼光四天王)。大江山の酒天童子退治や土蜘蛛退治、鵺退治。……祐飛さんのプレお披露目の大江山を思い出すわ…。

それから俵藤太のムカデ退治も1枚だけあって、その絵にはしっかり「龍女」が描かれていました。

そういえば天狗の図案がなかったような……ちょっと意外。

あと、定番といえば定番なんだけど、私はこれ大好きな「妖怪嫁入り絵巻」。どうしても進行方向の都合で、嫁入り行列の部分から両家の話し合いまでさかのぼって見ることになってしまうのが…残念。これほんっとに面白いんですよ。人間と同じように、両家の妖怪が縁談の取りまとめをして、見合い(それも江戸時代の見合いだから、街角でちょっと出会うだけの見合い)をして、結納をして(結納品の魚っぽい妖怪が台に括りつけられた状態で自立歩行してるw)とか。妖怪だから「よりブサイクな方がべっぴん」というアレで、ホントにコミカル。最後に夜明けが来て散り散りになるところまでホントに面白いのでオススメです。

今回の展示で一番興味深かったのは納札。幽霊画を書いたハガキ位の大きさの浮世絵に、千社札というか、短冊で自分の名前や、主催者の名前を入れてるもの。これがほんとに色鮮やかで、巡拝して納める札が妖怪・幽霊とはどういうことなんだろう。妖怪とか幽霊は所謂「俗」「欲」なものの象徴だからなのかな。

物販は普通の妖怪展と違って、布系が多い印象でした。ポスカとかもあるんだけど、最近流行りのマステとかはなく、布バッグであるとか、手ぬぐいとか、がま口とか、布アップリケなんかも種類が多くて、飛び抜けた高額商品があるわけではないけれど、トータルで1品あたりの値段は高めかなぁ、といった印象でした。

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