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Kyoto Sanga F.C. & Takarazuka Review and etc.

宙組『相続人の肖像』宝塚バウホール

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チケット手配出来ずに見られず終いかなーと思っていたのですがひょんなことからチケットを手に入れて見ることになりましたずんちゃんバウ。

ずんちゃんの若さと青さが出た芝居だったなぁ、と思います。父親に反発する思春期(と言うには長らく大学生でモラトリアム謳歌してるアラサーっぽいけど)なチャーリー(桜木みなと)の青臭さが全開で。

一方で気楽な貴族のレールに乗ったボンボンなハロルド(蒼羽りく)は性善説の世界でしか生きてないようなちょう前向き思想で。可愛い。それなのにフィナーレ格好良すぎてずるい。


ヴァネッサ(純矢ちとせ)はほんとに「気立ての良い」人なのか?っていう疑問。自分とジョージの関係は愛人関係ではないと言うけれど、いくら正妻との結婚前から愛し合っていたからといって、正式に(しかもそれぞれが)結婚した後もお互いを想い合っていて、死別後に再婚したらそれはもう不倫と言われても仕方ないんじゃないだろうか。

しかも自分達を正当化するために目の前にいるチャーリーの母親こそが邪魔者(とまでは言わないけど言ってるも同じだ)で、彼女とジョージの結婚は「過ち」とまで言い放つし。

ほんとに愛人と呼ばれたくないのであれば、夫の死後に援助を受けても再婚まではしなければ良かったのに。後妻に入って娘まで呼び寄せて、では使用人がどんなに褒めてもやってることは不倫相手が正妻の死を待って後妻に入ったようにしか見えない。

チャーリーの反応は子供じみた潔癖さもあって青臭いけど、この母娘を許容したくない気持ちはとてもよく分かる。

そんなヴァネッサの娘のイザベル(星風まどか)にしても、(喪中の花嫁捜しなんていう馬鹿げたパーティーとはいえ)メインホストを宴の最中に呼び止めてダンスレッスンを要求して、断られても食い下がって脅迫紛い(に聞こえる)「お兄様」呼びまでして。図々しさは母親譲りか、ってチャーリーが思うのも無理ないわ。まどかちゃんは何一つ悪くないんだけど好きになれないヒロイン像。

引き取られた先で、ジョージが愛するヴァネッサの娘だからって可愛がったんだろうけれど、ちょっと増長しすぎ。ひょっとしてジョージとヴァネッサの間に出来た娘なんじゃないの? って疑うレベル。多分口さがない親類はそう思ってる。

それにしても返す返すもベアトリス(愛白もあ)が不憫すぎる。自分に不都合な貴族としてのレールを拒否したチャーリーに許嫁も拒否されてオールドミスになる覚悟を決めたのに、都合良く茶番に呼びつけられて、期待だけ抱かされたのに結局また掌返されるっていう。ほんとにベアトリスに救いはないのか。

ロザムンド伯爵夫人(悠真倫)は「親戚中の鼻つまみ者」と言うけどこの家族はそんなもんじゃなく一族から除名されても文句言えない醜聞の塊やないか…血のつながりは無いとは言え妹やで…パパエドワード(美月悠)は親族会議にかけてでもチャーリーから伯爵位を剥奪する位のことはやってもいいと思うんだ。エドワードに「愛していないことを娘に悟らせるな」と忠告されたのに、その直後から同席を拒否するくらい、「口だけ男」というか。カモフラージュする気も無いし、その努力をする気も無い。よく言えば真っ直ぐすぎるけど、覚悟のない若造にしか見えなくて。

その点ではハロルドの方が世間知らずな割にイザベルに体当たりしていくだけバカ正直で好感が持てる(振られてるけど)

なんていうか、チャーリーもジョージも愛する一人以外への気遣いがないという点では親が親なら子も子だわ。

ところでまりんさんはプログラムによれば「初の老婦人役」だそうで。………初めて…だと…!? オジサマ役は多いけど老婦人初めてなの…!? 意外すぎる。けどまりんさんの伯爵夫人凄く良かったですよ。男役だから硬質な雰囲気が厳格な伯爵夫人の雰囲気に合ってて。千秋楽でまりんさんが紹介されたときに拍手鳴りやまなくてまりんさんが自分で拍手止めにかかったくらいには良かったです。

お屋敷の使用人たちの中ではやっぱり家令のフィップス(松風輝)が良い味出してて、二幕のスーパーまっぷータイムといい、いやーまっぷーいいわぁ。どことなくすっしーさんの立ち姿に似ていて、全然キャラは違うんだけど、うたかたですっしーさんについて回ってたのを思い出しました。

で、不良執事なルパート(春瀬央季)と不良メイドなシルヴィア(美桜エリナ)。初日明けた頃に見たよりも、千秋楽の方が着衣の乱れが酷かったのは気のせいかなぁ…この二人はほんとなぜクビにならないのか不思議ですよw なんか特殊技能でもあるのか。クビにならないのかといえばどんくさい執事ドビー(七生眞希)の末っ子感な。後輩が入っても常に末っ子ポジションなんやろな…。

そんなこんなで、宙組の若手が経験を積む場の公演だと思えばもうシナリオというかキャラ設定の押しつけがましさはもうそこまで欲をかくなということなのかな…いやでも「愛を知らないチャーリー」に愛の大事さを気づかせるという意味ではヴァネッサの「愛」は普遍的処か、前妻の子に取っては天敵なんじゃないのかなぁとか。

シナリオには不満はあるけど、それでもフィナーレの格好良さで終わったときの気分は満足に振り切れてるからフィナーレ大事。

いや、ほんとに真ん中で踊るりくが格好良すぎた。お芝居では不憫なまま終わってしまって見てるこっちが(´・ω・`)ってなってるところにあの格好良さはほんとにずるいわぁ…

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