cella

Kyoto Sanga F.C. & Takarazuka Review and etc.

宙組『翼ある人びと』シアター・ドラマシティ(トークショー付)

この記事はだいたい 856 で読めます

tubasa
登場する主な音楽家の生存時期と、この舞台で切り取られた時代を見てみると、たった3年しかないことにまず終わってからびっくりですよ。普通なら5年10年を、大劇場の一本物でも2時間半で演じている事が多いのに、たった3年を2時間かけてやってる。だからかもしれないけれど、すごく丁寧に描かれているな、と思いました。
クラシックの名曲の数々で彩られた音楽だけでなく、情景も凄く綺麗で、舞台に降る羽や落ち葉の効果的なこと。
とてもシリアスな話なのに、幻想的なくらい「綺麗」だと思いました。

…でもとても精神的に疲れる演目なのでとてもじゃないけどダブルは無理…ニジンスキーほどじゃないけどこの、疲労感。

ブラームスとヨアヒム

(どちらかといえば)ベートーベン派の二人。

19〜20歳でヨアヒムと出会って、シューマン家に居候するヨハネスまーくんが時折見せる幼い表情がまたなんていうか純粋で。酒場で弾いてるのに、酒場の道理をわかってない世間ズレしてないところというか。

ヨアヒムあっきーはそんなヨハネスを弟分みたいに思ってるのかなーと。年はほとんど変わらないけれど、既にプロ音楽家としてのキャリアを持ってて、世間を知ってるヨアヒム。
終盤で、才能を無駄にするなと、自分にはお前の才能がわかると、音楽家なのに拳で語り合う二人。突然の青春。…いやいやバイオリニストとピアニストなんだから手は大事にしろよ!!

あと、ヨハネスが子煩悩というか子供好きだったというエピソードがあのシューマン家の子供たちだったのかな、と。というか、若い時分に酒場で大人たちの狂態を見てるから、余計に子供の純粋さを神聖視でもしてしまったんだろうか。

ロベルトとクララ

まずね、ロベルトおづきとリスト愛ちゃんが同世代っていう事実にですね…ビジュアルだけ見てるとロベルトおづきと幼妻なクララゆーりちゃん、それに憧れるクララと同世代なリスト愛ちゃん…みたいな錯覚を覚えたけれども全然そんなことなかった…!!!
いや、冷静になれば3人も子供がいるんだからクララもそれなりの年なんだけどさ。どちらかといえばロベルトおづきだけが外見年齢が高かったというか。
そりゃあんなけ(年の割に)若々しくて綺麗なクララだったら「君はますます綺麗になる」とかリストでなくても言いたくなるわな。

まーくんが時々ほんとに幼い顔をするから、一瞬父子のようにも見えて、多分それも効果として狙ってるんだろうなぁ…

ロベルトの包容力が本当に大きくて大きくて。ルイーゼれーれに密通の疑いをぶつけられた時には動揺したのかもしれないけれど、あの死の間際、駆けつけたクララに、ほとんど動かない腕を広げてて、そこへ指し招いたあの仕草がね! 滂沱。病に侵される中で、まるで悟りでも開いたかのようなロベルトでした。

ロベルトといえば、病の混乱の中でベートーベンの幻に翻弄され、「ベートーベンとなって」自殺を図るあの場面が、それまでの少しずつ狂気に苛まれて行く姿ともあいまって本当に…すごい演出であったと。

あと、冒頭のロベルトから感じるセルゲイっぽさ。

ベートーベンっぽいの

…っぽいの。

りんきらは出てきた瞬間からこう、場の空気を変えたね。良くも悪くも。
それはそうと、このベートーベンモドキ、私は「ヨハネスがベートーベンの音楽に抱いている幻想」の姿なのかな、と思って見てました。…だってヨハネスは実際に生きてるベートーベンを知らない世代だから。ベートーベンの音楽(に込められた思い)を聴いてはいるけれど、リアルタイムの世代じゃない。
だからリアルタイム世代のロベルトには見えない(というか自覚できない)のかな、とか。

クララと別れてウィーンに向かうヨハネスを待ち構えて手を携えようとするけれど、ヨハネスはそれを無視する…というか、もうあの場面のヨハネスにはベートーベンの幻は見えていないんじゃないかな。だからそれを悟った幻もまた、闇に消えていくというか。
…どうでもいいけどまーくんの客席降りからの退場がですね、まさか中央通路超えて背後の扉に去るとか思ってなくてですね! うわぁすぐ近くをまーくんが! かっこいい!!(アイドルか)

リストとワーグナー

アンチベートーベン派の二人。

聞きしに勝るリストの登場シーンのこの…出落…いやいやいや。
周りに女性侍らせてキャーキャー言わせて踊る愛ちゃん…かっこいい…んだけどなんだろうこのちょっとだけ感じる「タダの格好良さではない」みたいな瑕疵は。
愛ちゃんはあれくらいの髪の長さであの髪型してるとほんっっとにかっこいい。「愛ちゃん」とかもう言わんと「愛月さん」って言うべきかしら。いつまでも可愛い(声の)愛ちゃんではないものね。
で、実際、リストの演奏(パフォーマンス)を聴いて気絶する人やら号泣する人やらいたそうなので、大袈裟過ぎるように思えたあの演出は実はとても忠実であったのか…

リスト以上に出落ち感のあったワーグナー。
女好きな時期なのもあって、資産家夫人のりあんちゃんに(どう見てもお金目当てに)一目惚れして乙女の瞳がどうたらこうたらなんたらかんたらと長々と台詞を述べ(滑舌頑張って…!)てたけども、これが後の『トリスタンとイゾルデ』に繋がるからあながちとってつけた出まかせの台詞ではなかったのかも。

作中でも、かなこワーグナーは愛ちゃんリストの小判鮫…とまではいかないけど、リストだけは特別、といった様子が見て取れたけど、

亡命中、自分を保護してくれたリストを音楽的にも深く尊敬しており、唯我独尊とされる彼が唯一無条件で従う人物とされる。当時、ブラームス派とワーグナー派と二派に別れた際、リストが自分についてきてくれたことに感激し、自信を更に深めた。

リヒャルト・ワーグナー – Wikipedia

ワーグナー→リストか。

そんなリストは、亡命中で国に帰れない(追放されてる)ワーグナーの『ローエングリン』をドイツ国内で上演してワーグナーの評価を上げたりしたらしいけれど、作中でも、病床のロベルトの曲を演奏(それも演奏方法に拘るリストなのに「お行儀よく座って」)したりと、口ではあれこれ言いながらも実は情に厚いんじゃないのーなんなん愛ちゃんリストはツンデレなんーとか思ってみたり。
あと、さらっと流されたけど、ワーグナーが口を出した「政治」って三月革命のことか。

とか思ってたらwikiにこんなんみつけて

ブラームスとそりが合わず、犬猿の仲であった。1870年にウィーンで催されたベートーヴェンの生誕100年セレモニーに講演者として招待を受けて快諾したが、土壇場で出席者リストにブラームスの名を見つけて出席を拒否した。
リヒャルト・ワーグナー – Wikipedia

ワーグナーとブラームスどんなけ仲悪いねん!!!
リストがブラームスも評価してるから余計に気に入らんのやろか………嫉妬か(多分その要素もありそうな)。

他色々

老いたれーれがすごく良かったんですよ! いきなりだけど。これまでのれーれって、ロリが多かったし、今回も若い姿はロリ系統だったんだけど、年老いて、老成だとか枯れただとかそういう単語が似合う「老婆」なんだけど、決してみすぼらしかったりはしない。
でもって老いたれーれが「クララがもう少し長く生きていたら」というのはヨハネスの死の前年にクララが死んでいるからそれを思っての言葉だったんだな、と。

きゃのんさんがすっかり「酒場の女将」キャラを定着させてしまった感…というか、きゃのん≡酒、っていうこの…この…

りんきらも色々やってるなーと思ったけど、さっつんも色々やってたなぁ…2幕はお医者様だったけれど、1幕は酒場のチンピラとサロンのお貴族っていう…えらい立場も身分も違う…

せーこの伯爵夫人は流石の貫禄であったわ…舞台に一人で歌ったり、ど真ん中ピンスポで台詞言っても余裕で場が保つこの存在感。…そりゃせーこももう研12…か。

トークショーの話もすこし

今回のトークショーは司会にせーこ、パネラーはまーくん、おづき、さっつん、愛ちゃん、ゆーりちゃん。

まずは学年順に自己紹介を、という振りで、おづき→まーくん→さっつん→愛ちゃん…まで来たところでせーこ「限られた時間ではございますが…」………ってゆーりちゃん! 飛ばした!!
すかさず周りからの総ツッコミと客席の「せーこ最初からやらかしたww」っていう爆笑。涙出るくらい笑ったわ…
「ゆーりちゃんごめんねえええええ、お母さん役やってるから…」と平謝りなせーこ。シャキッとモードで始まったのに早くもすっかりいつものせーこ。

Q.始まって早くも5日が過ぎましたが
真面目なコメントが続く中、愛ちゃんが今だにリストとしての初場面の前には足が震えるくらい緊張することと、そのために袖で壁に手をついて「リスト降りて来い降りて来い」と念じていること(まーくんに見られてる)と、舞台に乗ってからもまた一度天を仰いで、降りてきたと思ったら弾き始めるんだとか。でもって後ろ弾きをしようかと思ってる、の発言に対しておづきの「見たいなー」により、その場でやらされる愛ちゃん。
後ろ弾きはともかくとして、座る時にすそをぱっと払って腰掛ける仕草がヤバイくらいかっこいい

Q.好きな場面は
愛ちゃんが完全にファン目線だったのと、おづきがゆーりちゃんの赤いドレスを狙っているのとが話のメインでした。
ていうかまーくんが隣のおづきにちょいちょいツッコミを入れてるんだけども、おづきからはまーくん、届かないんだ…まーくんどんなけ手長いん…

Q.自分の役以外にやりたい役は
まーくんはシューマン家の子供、子供をやって「ヨハネスだって子供だもん」(←超ふてぶてしいw)をやりたいんだとか。それをやりたいからおづきに「ヨハネスやってよ」と言ったらおづきはすかさず「やだよ私、クララやりたいもん」
おづきはクララの演奏旅行の時の赤いドレスを着て、「貸衣装よ」の台詞が言いたいらしい。風共のベルをやったからか、その台詞、自然だわ…
ゆーりちゃんも子役をやりたくて、鳴いたカラスがもう笑った、みたいな子供の切り替えの速さがかわいいと。その流れでまーくんに「知ってます?」と振ってたけど、その子供が手のひら高速回転させてる相手がまーくんだから…ね…天然炸裂、と言われてました。
さっつんはせーこの伯爵夫人だったかな。「〜たらんとし」とかそういう勿体着けた言い回しをやりたいらしい。

ここらへんで、まーくんからせーこに、「今日は伯爵夫人キャラでやるって言ってたのに」の暴露が。
最初からせーこ節だったのでこの頃には既にゲラに戻ってたせーこ。伯爵夫人キャラなら他の人にも話振りやすくてちゃきちゃき出来るかと思ったけど、最初に大失敗して伯爵夫人どっか行っちゃった…と…いや、いいよせーこらしい司会だったよ…

にほんブログ村 演劇ブログ 宝塚歌劇団へ

Pocket


Leave a Reply

Your email address will not be published.

CAPTCHA