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Kyoto Sanga F.C. & Takarazuka Review and etc.

星組『ロミオとジュリエット(新人公演)』宝塚大劇場

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チケットの一般売りに協力していただいたお陰で見られましたロミジュリ新公。…聞けば当日券の並びが凄いことになっていたそうで…立ち見の入場待ち列もものすごい長かったし…門のあたりで「新公譲ってください」の札を持つ人も沢山見かけました。…凄いな。

初演の星で初めての新公、メンバーによっては梅芸・博多とやった上での新公だった訳で、なんていうか…濃い新公だったなぁ…と思いました。
どうしてもロミオやジュリエットの年齢設定が新公向きだから、雪の新公を見た時にも「新公向きの話だなぁ」と思ったのですが、ただ、真ん中あたりの年齢設定が新公向きなだけであって他の役柄や、ストーリーを演じるのはやっぱり新公レベルでは限界がある(難しい)作品だなぁ…とも。
ロミジュリがなかなか映画化されないのは原作のロミオとジュリエットの年齢が演じられる外見(実年齢もそのあたり)で、このストーリーを演じられるだけの力量がある俳優がいないからだと随分昔に読んだような気がしますが、本当に、これは難しいわ…というのをあらためて。

ロミオ(礼真琴)

ことちゃんは本当にこれが新公初主演なのかと疑念を抱くほど、堂々としたロミオでした。開演挨拶も、あの低音ボイスが本当に…堂々たる風格でした。最後のあいさつで詰まって「泣かないって決めてたのに…!」って涙声で言った時に初めて初々しさを感じた位、堂々とした新公初主演でした。逆にこの次主演する事があったら成長の度合いをどう見せるのか心配になるレベル。新公としては十分すぎる力量を魅せつけてくれた気がします。…まぁ新公レベルでは、だけど。正直、歌と踊りはもう結構安定域に片足突っ込んでると思ってるので、後はお芝居を今回の演目で(本公演ベンヴォーリオでも)がんがん鍛えて「歌って良し踊って良し演じてよし」の三拍子目指して頑張ってほしいなーって。
贔屓目だらけなんだけど、このロミジュリっていう作品で、ロミオで新公主演してくれた事が嬉しくて仕方ないです。ことちゃんとロミオ、本当に「合ってた」んだわ。まだ少し可愛らしいことちゃんが演じるまだ少年っぽさが残るロミオ(多少のわがままも通るくらいには誰からも愛されてる)っていうのが凄く…はまってた。
本公演のロミオを18歳として見るから(実際凄く若々しいし、初日開けて2週間ぶりに見たら更に若返ってた)、どうしてもそれより若いロミオに見えるのは当たり前のことで(学年差も10あるし)、それゆえに少年期を抜けかけた頃の幼さと背伸びした大人の部分とが相まって危うい時期っていう気がしました。まさに思春期。そういうアンバランスな所を死に魅入られたんだろうな…っていうロミオでした。だからこそ1回めの『僕は怖い』もことちゃんで見てみたい。こればっかりは版権の問題とはいえ、仮面舞踏会からっていう構成は本当に…なんとかならんもんか。
見終わった後の感想で真っ先に「魅入られた」っていう単語が出てくる位、たまたま死の前を格好の餌になりそうなロミオが通って、タゲられたんだろうな…って思わせるロミオでした。

雪での初めてのロミジュリ新公を見た後にも思ったけど、やっぱりこのロミジュリっていう作品は若い人向きなんだな…って思いました。勿論力量だとか、熟練度とか、そういう部分で本公演に大いに分があるのは当然なんだけど、特にロミオを始めとるす若者たちが、若さ故に持ってる根拠のない自身だとか、向こう見ずさだとか、危うさだとか、そういった部分はどうしても新公をの方に色濃く出るなぁと。

ジュリエット(城妃美伶)

いや、めっちゃ可愛かったです。歌も上手かったし。それでいて、ことちゃんのロミオがまだ夢に夢を見ているふわっとした空気感(少年期から今ひとつ抜けきれてない)のに対して、「結婚」という現実を常に目の前につきつけられているジュリエットの芯の強さはしっかりと見えました。
…そういえばロミオにとって「結婚」は「夢」に近いけれど、ジュリエットにとっての「結婚」は「現実」だったんだなぁ…

ベンヴォーリオ(夏樹れい)

ちょっと期待値を上げすぎたかな…っていうのが終演後の最初の感想。そつがなかったんだけど、あくまで「そつがなかった」。前回の新公エトタカの『見上げてごらん』がものっすごいよかったからちょっと期待値上げすぎたかな…。欲張り過ぎた。見てるこっちが。
『どうやって伝えよう』の部分も「まぁ歌が上手いのは知ってるし」っていう感じ。それよりロミオを糾弾する場面や、霊廟で0番で歌う場面の方がずっと良かった。マーキューシオとティボルトが罵り合う場面で、ロミオの言う「誰もが自由に生きる権利がある」に同意して頷く場面とかそういう所は凄くよかったです。

マーキューシオ(紫藤りゅう)

最初にしっかり顔を見せた時からなんていうか、「ぱっとした感じ」でした。これが「華がある」ということか。
ただ、マーキューシオは仮面舞踏会から始まる新公では一番割りを食ってる役だなぁ…と思いました。マブの女王もないし、仮面舞踏会に乗り込む原因を作った事もさらっと…さらっと…。
今際の際のあの歌はちょっと音程に意識が行き過ぎてるかな…とも思ったのですが、一人で死んでいくことを寂しく思うと同時に、死ぬことを恐れるみたいな空気感が出ていたように見えました。「怖い」「寂しい」そんな環境に自分を追いやった諍いが「憎い」っていう。…狙ってやってたなら凄い。Bパターンでみたみっきーのマーキューシオに近い印象を受けました。

ティボルト(麻央侑希)

本役のABどちらとも違った印象のティボルトでした。さゆみほどガツガツ女を抱かないけど真風ほど女に実は興味が無いって感じでもなく。…正直、本当の俺じゃないと至っている銀橋で音程が完全にまいg…いや…うん。強そうだったからまぁいいか。

ロレンス神父(ひろ香祐)

今回の新公で一番上手かった(マジで)
セリフの言い回しといい、歌といい、ほんとによかった。追放に処されてうなだれるロミオを抱く腕が包容力に溢れててことちゃんの少年力もあるんだろうけどひろかくんの包容力がほんとにすごかったんだ。

乳母(妃海風)

歌が安定しているのは元から知られてた事だけど、やっぱり乳母も難しい役だなぁ…と。確かにチャーミングな乳母ではあったけれど、ただ優しいだけではだめだし、新公ではその場面がないけど「今も男好き」の世俗的な部分だとか、小ずるさだとか…「ロミオなんて雑巾です」と言うことを翻す流れだとか。

死(十碧れいや)

爬虫類的なすごく気持ち悪くて良い死でした(全力で褒めてる)。ロミオを死の淵にズルズルと引きずり込んでいくような『僕は怖い』の場面とかすごくよかったです。…だからこそ1回めの(新公ではカットの)『僕は怖い』の部分も見たかったなぁ…

キャピュレット卿(漣レイラ)

私の中で星組ヒゲ部の一角に成長してるレイラくん。ヒゲの種類を選ばない(無精髭もどんと来い)タイプのオールラウンダーヒゲ部。
『娘よ』はひょっとして今までで一番長いソロかな…? 音程に意識が行ってるかなーと思ったので、東京だときっともっと感情あらわになってるんじゃないかな、っていう期待。

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