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Kyoto Sanga F.C. & Takarazuka Review and etc.

月組「舞音/GOLDEN JAZZ」宝塚大劇場(初日)

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久しぶりの初日観劇をしてきました。

初日ならではのもたもた感とか、捌け際の小道具落下とか、色々ありますがひっくるめて初日観劇は好きです。

マノンは正直相当な急展開ですが、なんかもうちゃぴが清らかすぎて…ショーもちゃぴのダンスの「段違いなんてもんじゃない…桁が違う…」な感じで終始ちゃぴに持って行かれたような気がする公演でした…

あと、例のタンバリンはお一人様2個までの但し書きがありつつ、余裕の初日分完売。土日の売り分は確保した上での完売のようですが、いつ在庫が切れて追加発注の罠にはまるか分からないのでご購入はお早めに。

舞音

シャルル(龍真咲)が一直線に転落していく様子が最早潔いなんてもんじゃない…ノンストップ転落人生。大貴族のボンボンがわかりやすく女に惚れて身を持ち崩していきますね。王道すぎる。

そんなシャルルが惚れたマノン(愛希れいか)、華僑の大富豪(綾月せり)とシャルルを天秤に掛けるというか、一瞬にしてシャルルを逃避行に誘い、次の場面では宝塚ではなかなかない濃密ラブシーン。性に対しても奔放さを感じる訳ですが、ちゃぴの性質からして淫蕩にはとても見えないんだよなぁ…むしろ、精神的にはとてもストイックで、蓮の花のような清廉さが常にある。マノンは蓮の花を「ドロの中でしか咲けない花」と言うけれど、そんな花だからこそ、仏が現れる清らかさがあって、そんな雰囲気が常にちゃぴにはある。とはいえ、逃避行場面ではちゃぴの生腹が拝めるわけで(一気に俗っぽくなった)、ちゃぴの見事な腹筋が…ええ…。

マノンの兄のクオン(珠城りょう)。うっかり弟に見える…しかしアオザイ姿がどう見ても「強そう」。……いや、たまきちは大体何をやっても強そうなんだけどさ(例外は貴族服くらい)。賭場の女主人(憧花ゆりの)に気があって、シャルルを巻き込んで自分が「企て」の真ん中に行こうとしたけれど、所詮クオンの「企て」は商売ベースの上にしかなくて、賭場の支配人(宇月颯)に殺されるんだけども…なんかあっさり殺された-!? とも思ったんだけど、超至近距離(かつすでに刃物傷で手負い)で5〜6発弾丸撃ち込んでるからそこまでやらないと殺せなかったのかな(たまきちが強いのか銃の殺傷力低すぎか)。

相変わらずとしは良い芝居をしますね! でもあんなに武器を入手したのに最後の場面では「我々は丸腰の民衆だ!」ってやるのがよく分からん。あれはパフォーマンスで、あそこでとしらが殺されることによって民衆が武器を取って武装蜂起なシナリオだったの?

ベトナム民衆ではあーとありちゃんがやっぱり目立ちますねぇ…他に蓮くんや瑠音くんもいるけれど、真ん中に二人が並び立つと存在感すごい。ありちゃんはバウを経てさらに絞られた印象です。くらげちゃんはマノン憎しで虚偽の告発をするんだけど、最後の場面で歌い出したマノンに真っ先に追随するから、ここで「マノンも同じベトナムの民だ」と思ったのかなぁ…それまでは「混血児」とか「フランスの飼ネコ」くらいに思ってたと思う。

それにしても「もう一人の」シャルル(美弥るりか)の存在がとても難解。冒頭のサイゴンでは、東南アジアに初上陸した興味を抑えきれないように思えたけれど、じゃあ内面の象徴かといえば、そうでもなく、時にはシャルルの「思い」の具現化にも見えたし、最後は迷いの中にある決意みたいにも見えるし。なんせみやるりの存在が難解すぎて、それ故にこの作品は初心者向けではないな、とも思うわけで。最低限、まさおとみやるりの見分けがついて、「もう一人のシャルル」という配役を把握してないと意味不明なんじゃないかな…幕開きでせり上がって銀橋出てきてるのに最後の最後まで台詞一切ないし。それでいて誰とも絡まないし。

フランス軍のメンバーとしては、クリストフ(凪七瑠海)が相変わらずかちゃさまの親友キャラはすごいな、って。でもかちゃさまが親友やると大体その友人を助けられてない気がする。というか、親友のかちゃさまにみんな頼らなさすぎだ。もっと頼れよ!

でもって不良兵士のマルセル(輝月ゆうま)。いやー今回もヤジロベエのような安定感と漬け物石のような存在感でしたねまゆぽん。賄賂を受け取り、密輸を見逃し私腹を肥やす(とはいえほんとに小遣い稼ぎの認識)小悪党。飲んだくれの小悪党をここまで好演するまゆぽんが怖い。いつまでも下級生と思っていても成長は早い物ですが、スタート地点から出目二倍ダイス振ってんじゃないかってくらい成長早過ぎなんですよまゆぽん…

ストーリーは途中までかなりのむりくりというか、シャルルがマノンに一目惚れして、マノンの奔放さに振り回されながらも惚れぬいて身を持ち崩して……とまぁなんていうか「救いようがないな」と思いながら見てたんですよ。でも、最後に連行されるマノンから始まるベトナム民謡の大合唱がですね、これがほんとに…超力業で泣かせに持ってくるんですよ。

決して豪華な衣装を着るわけではなく(まぁ綺麗なアオザイはあるけど)、暴行されて最後はシャルルの腕の中で死にゆくマノンが、ほんとに最後まで高潔…清廉で。「可哀想」っていう感想がなんか不適切なように思える…。

ストーリーは単純なように見えて、後半は政治問題とかが絡んでくるし、なかなか人間模様はややこしいしでほんと初心者の初観劇には不向きと思うけれど、見慣れてる人には音楽も外部の作曲家で随分とテイストの違う物になっているし(初日はまだ歌いづらそうにしてて、オケの音に声量が追いついてなかった部分もあったけど)新鮮かなぁ、と。1789とは違う方向に「宝塚らしさのないところがある」というか。

GOLDEN JAZZ

冒頭からおもちゃ箱をひっくり返したような、と言われていたとおり、アナウンスに先立って上手花道にスチールドラム(イメージ的にはバケツドラム)を持った佳城葵・朝美絢・暁千星の3人が出てきて(スチールドラムにはそれぞれの頭文字がデコレーションされてて)これを叩いてるあいだに本舞台には鼓笛隊が。…まさに、「鼓笛隊」。オブラディオブラダのメロディーに乗せて一気に客席が暖まったところでオープニング。例のタンバリンはオープニングで使用。オープニングから、客席降りて煽りまくる月組さん。

それはそうと、セロ弾きのたまきち。トランペットやサックスだったらよかったのに俺の楽器はデカくて地味なチェロ、腕には自信があるから仲間が欲しい、と歌うたまきちの前に現れたのは同じセロ弾きのありちゃん含めた楽団。…たまきちとありちゃんでチェロ二重奏…? ここでの曲が私的にとても聞き覚えのある…ジ・エンターテイナー。サッカーの日本代表戦で良く歌われてるあのチャントの曲です。日本代表に限らず、サンガでも使われてるし、佐川印刷も使ってるしでとっても聞き覚えのある曲。それでたまきちとありちゃんが踊るんだけど、同じ振りを交互にしているとありちゃんの足の上がり方が相変わらず規格外過ぎてw

スイングしなけりゃ意味が無い、からの銀橋歌い継ぎはそらもー華やかだし、コーラスに入ってるジョーくんも見たいし銀橋も見たいし本舞台も見たいし目が足りないにも程がある。

それはそうと、順番ごちゃごちゃだけどもかちゃを真ん中に、ゆりやんとゆうきだったかな? カウボーイで銀橋渡ってきて、ホールの支配人マギーに入場断られる場面。かちゃが「逞しい俺」みたいな歌詞を歌うと「イヤー御冗談をー」にしかならないね…うん。マギーは扱いとしては専科だけど、月組さんだからやっぱり馴染みの具合はこれまで通りで、ただ貫禄と存在感だけがはんぱない。

華蘭ちゃんのソロから入る、ポリネシアンっぽい場面、歌詞の意味とかはさっぱり分からんし、意味合いも所見ではよく分からないんだけど、とにかく動きがすごい。そして満を持して出てくるちゃぴのダンスがとんでもなくレベルが高すぎて、よく分からない動きなんだけど、どこの関節をどう使えばそんな動きができるのか人体とちゃぴの不思議すぎる。衣装がなんか、ヘンな柄、とかサルエル踊りにくそうとかそんかの気にならないレベルでちゃぴのスター性に持っていかれました。ちゃぴすごい。

フィナーレの男役群舞は最後にずらっと銀橋に並んで、ビシッと客席を指さして終わるんだけど…ここでジョーくん見てたらあまりの格好良さに、いっそ殺してくれ…くらいは思いましたね。綺麗に決めるのも勿論良いけれど、たまにはこういう挑発的なのもとてもいいですね!

さて、今回、パレードでたまきちが二番手の羽でちゃぴの前に降りたわけですが、個人的には「早いな」とは思うけど、全く「早すぎる」とは思わないし、いずれこうなることは正直、誰もが分かっていたことだと思うし。バウ主演とか見てても「あーいつ真ん中に立っても大丈夫だわ…(すぐに立てるとまでは言ってないけど)」と思わせる貫禄もついてきてたし。変にポジション固めないままハンパに経験だけ積ませてルートとしての二番手を短時間だけやって真ん中に行くくらいなら、どうせいずれ真ん中に立つのは(極端な話、今回に限らずずーっと前から)分かってたんだから、立場明らかにしてこそ得られる経験値を早めに詰んだ方がずっといいと思うんですよね。皆それぞれ思うところはあるんだろうけど、私は早いとこはっきりしてよかったと思います。

……まぁ次の全ツ回るからはっきりさせなあ訳にもいかなかったんだろうけどこれはニワトリと卵だろうな…

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