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Kyoto Sanga F.C. & Takarazuka Review and etc.

月組『春の雪』バウホール

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幸い見る機会に恵まれたのであの、ポスターが出た時から騒然とした春の雪を見てきました。…原作は未読なので頓珍漢なことを申します多分。

 とてもおもしろい…愉快という意味ではなく、見応えのあるお芝居でした。ぐっと泣かせに来る訳でも、笑いを取る訳でもないんだけど、世界観が首尾一貫していて、明治末期~大正時代という…妙に西洋チックで、それでいて日本文化は色濃くてという和洋折衷のノスタルジックな世界観がとても馴染んでいたように思います。

 主演のみりおくんの麗しさは言わずもがな。清様のあの浮世離れした自尊心の高さと、歪んだその自尊心の発露、そこからの転落(本人は全く転落とは思っていない)の同居具合が凄い。ラストの桜吹雪の中で振り返るみりおさまの麗しさたるや…たまきちに相対して「止めないよな?」と取りすがるかのような芝居の時の笑顔は見ているこっちが戦慄したような気がする。
 聡子を演じた咲妃みゆちゃん。きちんと認識したのは今回が初めてなんだけど、すごく…上手かった。すごく難しい役どころで、セリフ回しもとても三島世界なのに、それを自分のものにしていて…これは凄いわ…。
 飯沼役のとしくん。今回一番すごかったのはとしくんだと思う。土佐弁混じりで下駄を鳴らして歩く姿や立ち姿もだけど、ほんっとに目を奪われたんだ。飯沼の心中の葛藤やらが目に見えるようで…それでいて今回の主要な若者の中では一番「男」という生き物であったように思う。どこか潔癖な所のある清様や、色の話題に(今は)乏しい本多に対して、女中と逢引して事に及ぶ飯沼は「男」だった。…いや、正直ここのとしくんものっっすごいエロかったんよ。
 それから洞院宮様のちなつ。なんかこうちなつってすごく弟な可愛いイメージがずっと付きまとってたんだけど、そろそろその勝手なイメージを捨て去るべきなのかもしれない。すごく…かっこよかった…軍服姿だというのをさておいても「勇壮」な空気をまとってて、女性の扱いはまだぎこちないけれど、優しさを持って相対することは知っている懐の広い人…といった印象。
 あとね、美穂さんがすごかったのよ。服毒して死を望んでの高笑いとか、幻想の中で刀を構えた姿とか、その他の場面でも一々存在感が半端ない。
 存在感が半端ないといえば輝月ゆうまくん。……いや、ほんと安定感しかなくてパンフレット流し見しただけで1幕を見て…幕間に…あれ、あれってゆうまくん…じゃなかったっけ? と気づいたお粗末な頭よ…。

 内容については原作を読んでいないので、お芝居だけでの感想になるけれど、原作未読だと全くついていけない、ということはなかった。もちろん作品の解釈の深度には影響するけれど、普通に「宝塚版春の雪」として完結する分には何ら問題ない。
 歪んだ自尊心の塊のようなみりおさまはもう、ね。こういう役柄やらせたらすっごいハマるよね! 方向性は違うけれど54のザックもこんな感じだった気がする。それにしてもめんどくさい御人や清様。身分があるからまだるっこしいあれこれがあるのを差し引いても清様も聡子もめんどくさい。聡子のほうが2歳年上で女性ということもあって、思考は安定してても柵の強さは清様の比ではないのがまた…とにかく清様の思考回路がめんどくさい。幼い頃はそれがまた可愛かったんやろけどそのまま大人になったらめんどくさい事この上ない。
 …私いま何回めんどくさいって言ったかしらん。…とにかくめんどくさい。たまきちいっぺん叩いたったらエエねん、と正直思った(そういう話ではありません)。

 最後に、私はまいまいの黒髪おかっぱがものすごく大好きなのですが(だからアリスのレイヴンとか大好き)、今回も白い衣装に黒髪おかっぱで踊ってたりカルメンも踊ってたりで踊るまいまいが沢山見られて大変に満足でした!

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