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Kyoto Sanga F.C. & Takarazuka Review and etc.

花組『アイラブアインシュタイン』宝塚バウホール

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何を書いてもネタバレになる公演だったので、全部終わってから書くことにしました。

まずね、「アインシュタイン」と聞いて思い浮かべた全てのことが外れていたな、と。別にタイトルこれでなくても良かったんじゃないの…と心の底から。「博士」とは呼ばれているけど「アインシュタイン」という名前の博士である必要は全く感じなかったよ…


全体的にセットも衣装もスチームパンク風味で、こうもり博士の研究室で使われてたあれこれも並んでいて、なるほどこういう場面で再利用…。

時代背景は近未来ではなく、「アンドロイド技術だけが発達した20世紀中頃」というアレなので、ジュール・ヴェルヌ作品みたいな感じかな、と。

あの歯車の吊りセット含めた一連の舞台装置、最後の場面でまさかきれいにハート型を作るとは思わなかったのでこれもまた一本取られましたわ…

ネタバレが一向に流れてこなかったので、初日の「まいてぃのビジュアル」だけ目に留めて見に行ったのですが、確かにまいてぃのビジュアルすごかった。そして設定の盛り込みもすごかった。

とりあえずビジュアルに度肝を抜かれ、あの片目もあってまいてぃの方がアンドロイドくさいなぁとか思ってたんですが(義眼に対して理解のハードルが低い観客)、想定通りあれは義眼であったので谷先生わりと(この道の)王道を行くのね…

冒頭から割と病んでる風なまいてぃでしたが、一幕ラストでのあの告白は結構衝撃でした。谷先生そうきたか! っていう。これは一本取られましたわ。…しかし設定盛りすぎですよほんとに。

一幕ラストでまいてぃ闇堕ちかー…と思ったけど二幕入ったら別にそうでもなかった。結局まいてぃはべーちゃんを悲しませて結局死に至らしめたあきらのことを赦したのかどうなのか。最後の二人(三人?)を弔った時には晴れ晴れとしてたから赦したんだろうけど、二幕の頭で再起動かけた時にはどうだったんだろう。二人の愛の行く末を見届けたい、という願望が優先されて、あの事故とか「途中経過」に対しては憎しみとかないのかなぁ…でもなんか病んでるしなぁ…と、まいてぃの感情の持って行きどころにもやもや。感情的には許しがたいけど科学者としては結果こそ全てなのか。

まいてぃの話しかしてないw

まいてぃが、あきらの脳と、べーちゃんの心臓をそれぞれ移植してアンドロイドを作ったというところ、「心はどこにあるのか」っていう問題と絡めてるのかなぁ…と。

結果として、脳を移植されたあきらは理性で感情を理解しようとするけどうまく思い出せなくて、一方の心臓を移植されたしろきみちゃんは「どきどきする」「体温が上がる」という心臓がもたらす生理現象で感情を体感してるような。その一方、あきらは人間の脳を情報処理に使っているからシャットダウンというか、オーバーフローを起こして強制終了くらうまでの処理能力が高くて、逆にしろきみちゃんは情報処理回路はCPUだから能力追いつかずにシャットダウンされてしまったのかな、と(1幕のあの場面で)。

ていうか脳と心臓をそれぞれ移植して作られたアンドロイドならどのみち臓器の寿命の問題で耐用年数に限界あるんじゃないの? と思わなくもない。あと、強制終了されたときにもその辺の生体細胞の維持装置は活きてるのかしら。

まぁそんなのささいなことですけど。

それにしてもあの二人がいなくなった後で、たそやゆめちゃんみたいな使用人アンドロイドたちはどうなったんだろう。主のいない家をずっと守り続けるのかな。それはそれで倒錯した世界だなぁ…

まぁあのたそなら既に自我もあるし、普通の人間に混ざっても生きていけそうだけど。そうするとこれまではあきら(や持ち主)が責任持ってやってたメンテナンスとかの必要も生じて来るだろうし、アンドロイド外来みたいな医療(メンテナンス)機関とかも出来て…確かにその方が「共生社会」っぽさは増すけれど、なんか怖い世界だなぁ…完全機械のアンドロイドと、一部に生体細胞を使ったアンドロイドとでも格差があるだろうし…ってこういう話どっかでなかったっけ?

ストーリーはかなり強引な流れで雑に回収された感は拭えないんだけど(小劇場で原作ない作品はだいたいそうだけど)、それでもまぁ最後は泣かされたし、何よりもフィナーレがね! あきらをセンターにした黒燕尾がね! ものっっすごい格好良くてですね。比較すると角が立つけどそれでもこの黒燕尾の揃い具合はやっぱり花組が一番だなぁ…と思ったのでした。かっこいい。このフィナーレだけでもお財布差し出す勢い。

しろきみちゃんと、べーちゃんの色違いのお衣装で踊る3人のデュエダン(日本語としておかしい)も綺麗だった…ほんとあきらの両サイドをこの二人が抑えてるの安定感あるわー…鼎って感じ。

今回、楽隊をやってた若草萌香ちゃん。前にエリザの新公で見かけて「誰この可愛い娘!!」ってなってたのですが最近あまり花組を見ないのと、新公見る機会か減ったのでなかなかしっかり見る機会もなく…(´・ω・`)

相変わらずすんごい可愛いし、歌もうまいよ、と聞いていたのでほんと新公見に行かないとなぁ…

今回敵役でやってる亜蓮くんですが、いやぁ…ひょろっとしてるね!(最初がそれか) お衣装がアレなのもあって、すごく…ひょろ長いです…。どうしてもまだあの役をやるには若すぎるんだけど、それだけに傀儡っぽさに溢れててよかったです。ぼーいはぼーいなのに殴り合いに弱そうな党員でw 紫のフロックに合わせてロングヘアをリボンで止めてるあたりがポイント高いですが欲を言えばなぜそこはサラストでないのかと…! リボンで止めるなら金髪巻き毛か黒髪サラストやろ!(個人の趣味です) 綺城くんもあのメンバーで頑張って色気を撒いているなぁと思ったのですが(色気って頑張って撒くものかというツッコミも)、あの中ではアホ可愛い枠なのか…この党すんごい先行き不安…与党第一党にしたらあかんやつやで…有権者目をさまして…。

そんな亜蓮くんは割と初めから「なんかきな臭い」存在で、アンドロイドでしたーって言われても「まぁそうやろうと思ってたわ」っていう。いやでも回想場面で出てきた少年はすんごい可愛かったんですよ!! ヤバい可愛い。

あと、先にもちらっと書いたけどたその執事がね! たそがすっかり執事役者になってる気がするけど、ほんとに頼れる執事なんですよたそ。

アンドロイドとして誕生したときからすると、自我も持ったし、なんつーか、博士の作るアンドロイドは「成長する」アンドロイドなのかなぁ…まぁ自己学習能力と言ってしまえばそれまでなんだけども…

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