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花組『新源氏物語/Melodia』宝塚大劇場

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花組公演を見てきました。先週。

新源氏物語は「源氏物語っていう超メジャーな作品なんだからみんなストーリーは把握してるよねー」みたいな暗黙の了解を求められたような気がするストーリー展開でした。色んな所が「知ってるだろうから飛ばすねー」で詰め込まれてましたね…ええ…

ショーは「Melodia」なんて柔らかなタイトルとは打って変わってパッショネイトなスパニッシュショーでした。タイトルに偽りあり…

新源氏物語

新源氏物語は今回が初見なんだけど、何はともあれ、詰め込んだな、という印象が拭えない。名場面を次々に織り込んだせいで、一番の盛り上がりをどこに持ってくるのかが…1回見ただけではよく分からなくて、確かにプロローグはとても色鮮やかな、ザ・王朝絵巻! って感じで華やかだったけれど…

和物らしいチョンパからのプロローグは正に王朝絵巻。色鮮やかな群舞は本当に華やかで、パリじゃないし室町でもないけど、花の都といった風情。

物語が始まって、光の君(明日海りお)の華やかなりし女性遍歴と、その原因となった桐壺更衣のエピソードが…サラッと。桐壺更衣ほんとにサラッと…。そして場面は雨夜の品定めへ。

この女の品評会、男の勝手な言い分だらけなんだけど、この場面は面白かったと思います。いや、ほんとに滅多にいない女だから理想なんだよ、マジで。

ここから光の女性遍歴に移って、藤壺女御(花乃まりあ)から六条御息所(柚香光)へと話が移りゆくんだけど、葵の上(花野じゅりあ)とはいつの間にか婚姻関係になってて、ここらへんもメインストーリーからちょっとでもそれたら「省略するけどみんな知ってるよね!」みたいな空気を…感じます。とはいえ、六条御息所との出会いやきっかけは原作でもそもそもスルーされてるから書きようがないんだけどさ。

そんな葵の上との結婚生活については頭中将(瀬戸かずや)が「あいつも素直じゃなくて」みたいな発言をしてやっと「あ、結婚してたんや」ってなるというか。それにしてもあきらのこの「男の友情」ポジションはほんっとにいいね! 大江戸ナイトショーでもつくづく感じたけど、ほんとにあきら格好いいわ。

そんな頭中将ら左大臣派にコケにされる右大臣(天真みちる)とその娘の弘徽殿の女御(京三紗)。この二人がさ、ほんっとにいいコンビなんだわ。この作品におけるコケティッシュ要素が詰まってるというか。そもそもが京三紗さんの父親役がタソっていうなかなかに無理した配役のハズなのに、全く気にならない。タソの存在感と芝居の重さもさることながら、京三紗さんの弘徽殿が可愛い…可愛いんだよ弘徽殿が。姿形とかそんな表面的な事ではなく、説明できないんだけど可愛いんだよ…。そんな二人の掛け合いがほんとに良い。爆笑させるわけではなく、クスッと笑わせる絶妙な匙加減。タソ凄いわ。ほんとにタソ凄いわ。

そんなタソの凄さを噛みしめてるうちに、舞台は北山、未成年者略取及び監禁に至る訳ですが。私さ、昔からこの源氏物語という作品に対してさっぱり憧れだとかいう感想を抱けなくて、そもそもが光源氏という男が好きになれない。この点で同じオタク属性でも藤原孝標女とは全く相容れない。いくら若紫(春妃うらら)が可愛かろうと、また、現代の感覚で、しかも物語に物申すことの無意味さは大いに承知してるけど、それにしたってただの未成年者略取な訳ですよ。…え、無理。

恐らく、ここが盛り上がる所たったんだろうな、と思う車争いの場面、からの、六条御息所の生き霊に葵の上がとり殺される場面。この生き霊の場面、どことなくオーシャンズの蛇の場面を思い出しました。…が、六条御息所が自分の髪に染み付いた香の匂いで己が生き霊と化して彷徨ってたことを自覚する流れがなくて、なんかようわからんけど「愛しているから身を引くこともできた」とか言っていつの間にか伊勢に下ってるっていう。伊勢に行くこと=斎宮は天皇の代替わりまで都には戻らない=ほぼほぼ生き別れ、みたいな説明もないから六条御息所の意思の持って行きどころが…ただ離れるために引っ越しました、みたいな所にとどまってしまってるように思いました。

とり殺される葵の上にしても、「夕霧を頼みます」だけでいつの間にか夕霧生まれてるし! みたいな。

そんな葵の上と入れ替わるように大人になった紫の上(桜咲彩花)。「あの方は私を『理想の女性』にしようとしている」と戸惑いを吐露する紫。この場面、私にはとてもホラーだと思ったんですよ。面影が似ている(そりゃ人類だし)幼女を攫って、彼女の人格その他全て無視して「理想の女」の型にはめて育てるってそれ普通にホラー小説のストーリーですから!

そんな光の次の相手は朧月夜(仙名彩世)。そしてばれたら思い切りよく「須磨に逃げるぞ!」「紫は置いていく!」…お、おう…潔いkzですね…かと言って、須磨の場面もさほど長くはなく、明石に至ってはほぼスルー。明石の上については明石の入道(夕霧らい)が「娘もお待ちしております」と言うだけ。それだけで舞台は10年後に飛んで、夕霧(鳳月杏)と柏木(柚香光)が秋の宴で踊るっていう。これは冒頭の桜の宴で光と頭中将が踊ってる場面からの対比なんだろうな。

で、また唐突に女三の宮(朝月希和)の降嫁の話ですよ。ここで、紫が「この屋敷には他にも明石の上様や花散里様など…」といつの間にか出てきた女たちの名前が。そういえば他の場面でも末摘花の名前だけ出てきてたな…

そんなこんなで、最後は柏木の子を女三の宮が身ごもったところで、光が宮中に向かう、という場面で終わり。……何しに宮中へ行くの? 退官? かなりすっ飛ばしてるけどそれもありうる…でもまだ柏木は死んでないし(少なくともそんな話題はないし、光も柏木には何の圧力もかけてない)、当然女三の宮も入水も剃髪もしてない。だからすごく…中途半端な所で終わった印象。

ただ、ビジュアルとしては総踊りの春から加茂の祭りの初夏、月見の晩夏から紅葉賀の秋、そしてラストシーンは花吹雪とも雪とも見える白い吹雪の中には佇む光、と、舞台上では春夏秋冬が移り変わっていて、それはそれでとても綺麗でした。場面構成をこの春夏秋冬にするためにもあちこち無理をしたのかなぁ…という印象。

Melodia

Melodia、ってよりMusic!!という感じ、とは座談会でも語られていたけれどほんとにそう。ロマンスショーかと思いきや、ラテンショーでした。ラテンというか、スペイン。

プログラム見たときからσ(・´ω・`* って顔になってたコンキスタドールの場面。なんでみりおの役名を「ピサロ」にしてしまったの。そんなんフランシスコ・ピサロを連想するに決まってるやん。まして場面は「黄金郷」…インカですよねこれ。実際には「エルドラド」と歌われていたけれど、どう見てもピサロのインカ征服が元になってて…ピサロにはだまし討ちでインカの王を陥れて詐欺まがいの手段で黄金を奪い、信仰も奪って応を殺した、後のピューリタンの残酷さにも通じるヤツだと思ってるから…ただのコンキスタドールSとか書かれてたら全然気にもしなかったんだけど、「ピサロ」って書かれてたらなぁ…

それはさておき、この場面のじゅりあがほんっとに格好良かったんですよ!

どうでもいいけど「コンキスタドール」って単語がなかなか出てこなくては「レコンキスタみたいなやつ」と適当すぎる発言をしたのは私です。全然意味も時代も違うしたぶんきっと伝わってない。スペインってとこだけは奇跡的にあってる。

で、ちなつの女装再び! ちなつは背も高いし足も人一倍長いしで女装するとほんっとに迫力美人。

この後続くスペインの場面では、次々と銀橋に出てくる中で、退団者にも場面があって…ふみかさん…まきしむ…(´・ω・`) まきしむは持ち前の身体能力生かした場面もあって、ほんとに…ありがとう…何にありがとうなのかわからんけどなんか「ありがとう」と言いたくなるこの感じ。

それにしても花のショーは前回のファンタジアといい、攻めてるなーというか、緩急の「緩」がないな! という印象です。常に押してだめならもっと押す!! みたいな。

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