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Kyoto Sanga F.C. & Takarazuka Review and etc.

花組『邪馬台国の風 / Santé!』宝塚大劇場

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花組を見てきたのですが、なんていうか…すごく…懐かしい(余り良くない意味で)。なんか…正直言って…DASAKUなんじゃないかしらこれ…初日組が「暗転多過ぎ」ってツイートしてたけど、確かに暗転は多かった。そしてその恋愛事情いる?みたいなのもありました。まいてぃの喉が焼かれた設定は最後のクララが立った瞬間のための布石だったんですかね。

ショーはもうらいらいが随所でらいらいで…黒燕尾なんて「さあ彼こそがかの夕霧らいです」みたいにセンターに出てくるし…らいらい(´・ω・`)

あと、今回の話題を全て掻っ攫っているあきらとまいてぃの場面ですよ。まいてぃの体があまりにも肉体的にストイック過ぎて逆に突き抜けてエロい(何を言っているのか)そこにぼーいの声が乗るとかなにそれなにそれ。

ショーは全体的にこんなもんかな、と思って(ワイングラスは初見ではとても乗れないと思うけど)見てたのだけど、パレードのゆきちゃんの…頭……なぜワインボトル積み上げたし……一人だけ頭が大変なことになっていますわよ…

うん、全体的にすんごい珍作だったけど、昔はこういうの割とあった気もする。

以下は延々と邪馬台国の考察みたいなのが続きますので暇な人だけどうぞ。

邪馬台国ってどこにあったの?

これはあくまで「今作の邪馬台国」の位置を考察するだけの部分です。なので機内説も九州説も全く出ません! この作品の邪馬台国はどっちにもない! というのが私の勝手な結論です。

まず狗奴国の立地条件を絞り込みます

邪馬台国そのものにはあまりヒントらしいヒントがなかったので、狗奴国側から攻めていきます。

まず、狗奴国の兵士の名前(イスルギ、タタラ、スサリ)とどことなく鉄を思わせるネーミングだなぁと思っていたら狗奴国のシーンで後ろにズラッと並ぶ矛先といい、なんていうか凄く産鉄民。そして出雲っぽい(スサという音が特に)。

狗奴国の位置は最近の研究では濃尾平野あたりと目されていたかと思うので、それは一旦無視してください。

  • 産鉄に適した砂鉄(日本では鉄は砂鉄から作ってます)を取れる場所が近くにある
  • 燃料である炭を産出できる豊富な木材資源が近くにある
  • 農耕に適した平野部がない
  • または日当たりや水はけなどの環境が悪い所

という設定と解釈しました。

更に、狗奴国が割と容易く邪馬台国に攻め込んでる事と、終盤でタケヒコたちが「夜明けまでに攻め入ってくる狗奴国の様子を見に行って戻ってくる」ことからこの邪馬台国とは陸地で国境を接しているが、邪馬台国連合の他の国とは国境を(ほとんど)接していないと仮定します。ほとんど、というのは冒頭でタケヒコを追ってきた狗奴国の兵士が「奴国の者か」と尋ねているので、奴国にも攻め入る事が出来る立地だと判断しました。

ここに更に追加で、狗奴国が邪馬台国に攻め入るため、「船で人員を渓谷に運ぶ」ということから、少なくとも狗奴国も邪馬台国も海に面している事がわかります。…日本の河川にわざわざ船浮かべて人員輸送って現実的じゃないし。

後、クコチヒコ(芹香斗亜)が戦闘場面以外では腰に玉を佩いているので、狗奴国は大陸と独自の交易を行っていたと推定されます。李淵を連れてこいと指示したのも、渡来人が欲しいからで、大陸の知識が必要であるという認識があった=既に大陸と何らかのやりとりがある。そう言う意味では日本海側にある、または面した港を持つのが自然かな、と。

次に、奴国との位置関係を考えます

ここまでファンタジー路線走っておいてなんですが、奴国王(瀬戸かずや)が一人だけお衣装豪華でお高くとまっている件については後漢書で「奴国王に金印を渡した」という東夷伝の記述を元に、この奴国の末裔という設定だとしたら、プライドも人一倍であることや、邪馬台国なぞに連合の盟主を奪われて堪るかという野心も納得できるかな、という個人的な落としどころです。

また、奴国の者に間違われた場面で、李淵が煮炊きに使用していた土器が(照明のせいかもしれないけど)赤みが強いものだったので、九博で見た須玖式土器に(色だけ)似てるな、と思いました。

というわけで、奴国の位置は従来の研究に基づき、北九州の海岸沿い、福岡で確定させます。

奴国が研究通りということなので、末盧國(末盧王|舞月なぎさ)は長崎県付近、一支国(一支国王|冴月瑠那)は長崎県壱岐島と確定させます。

他の国は魏志の倭人伝の記述を元にざっくり「東」「南」とかで位置をあてはめてみます(倭人伝の記述の信頼性は棚上げです。どうせ最後はファンタジーなので)。

伊都国(伊都国王|夕霧らい)は末盧國の東隣だから佐賀県〜福岡県西部付近、不弥国(不弥国王|航琉ひびき)は奴国よりも東だから福岡県東部〜大分付近と仮定。投馬国(投馬国王|和海しょう)は不弥国から南へ海路で移動とあるので九州南部の海沿い、宮崎北部と仮定。

ここまでの流れを落とし込んだ地図は次の通り。

邪馬台国(と狗奴国)はどこか

結論からすれば、山陽に邪馬台国、山陰に狗奴国を置くのが一番しっくりくるかな、と。

卑弥呼の部屋にあった土器が妙に白っぽかったので、これは岡山あたりの土器かなぁと思ったのもあります。更に、タケヒコがマナを連れて「東の山」に逃れようとしているため、邪馬台国の東には山が広がっている(そしてその向こうの国とはある程度隔絶している)と仮定します。となると東の山は赤穂の山。

これなら先に書いた通り、産鉄民らしい名前や鉄製武具を豊富に擁する狗奴国を山陰に置くこともできます。

作中の時間軸はいつか

割とどうでも良いかもしれないけど、一応卑弥呼の使いが魏に狗奴国との戦いを報告したのが247年ってことになってるので、その時代背景を少し考察してみます。

ヒントは日食

突然の皆既日食でトンデモ展開に思えますが、実はリアルな話で、該当年は247年または248年なので倭人伝の記述とも一致します。トンデモ展開の弥生ファンタジーなのにまさかの几帳面っぷりですよ!

ただ、247年3月は本州南部〜九州北部まで幅広く皆既日食になるけど日本では既に日没で、248年9月は東北で早朝に皆既日食になるけどそうすると前の位置関係の仮説全部無かったことになるか、「皆既日食にはならない」っていうね…うん。せっかく卑弥呼≒天照大神(太陽神)みたいないい場面だっただけに微妙に惜しい。

とはいえ、この日食を機に卑弥呼が女王から降りたとか、殺害されたとかいう説もあるのであの場面はそれを逆説的に使ったのかなぁ、とか。

冷たい水はどこから

タケヒコが盟神探湯を回避するために用意させた「冷たい水」だけど、よく考えて欲しい。冷蔵庫も冷凍庫もない時代にいくら井戸を掘ったとて、冷たい水がどれほど用意できるものか。技術的に「製氷」は出来ない時代なのだと。ということは、自然界にある氷を利用出来る季節だったんじゃないか。つまり、冬。そういう意味で、247年なら日食の直前に冬が来ているので話が早いかな、と。大陸に行く発言の後で桜舞ってるし。

大陸に行ったタケヒコが見るもの

前述の通り、この戦いは247年で、この報告のために大陸にやった使者の中にタケヒコがいたというテイで妄想すると、当時の魏は第三代皇帝曹芳の時代(曹丕の子の養子)で、司馬懿が権力中枢から排除された頃(ボケた振りして暗殺を回避してたのは有名な話ですね)。

その後、249年に司馬懿のクーデターが奏功し、政治の実権は司馬一族に渡り、263年に蜀を滅ぼし、265年に晋が建国し(建国時の皇帝は司馬懿の孫)、280年に呉も併呑して三国時代が終わりを迎える訳ですね。

激動の時代を武人として生きたかもしれないと思うと胸アツですね。

まとめ

というわけで、花組の邪馬台国を割と真面目に(ただしファンタジー含みで)考察してみました。ストーリーはかなりぞんざいな印象があったし、正直言ってストーリーとは、みたいな流れでふわっとしてたし、とりあえず組子は下級生に至るまで出番はあって台詞もある…みたいな作品ですが、細かい部分は割としっかり作り込まれてるな、と思いました。

ただ、日食の時期が一致してるとかは結局調べてみないとわからなかった(調べたら直ぐ出てくるけど)ので拘るところは果たしてそこだったのだろうか…という疑問は…あります…。

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