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Kyoto Sanga F.C. & Takarazuka Review and etc.

雪組『一夢庵風流記 前田慶次/My Dream TAKARAZUKA(初日)』宝塚大劇場

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毎度の事ですが雪組さんの初日を見てきました。えりたん、あゆっち、まっつ…(´・ω・`)
豪放磊落な前田慶次郎を、自身を「雪山のジャイアン」と表現したえりたんがどう演じるのか、どんな粋で剛毅な前田慶次郎になるのか、楽しみしかなかったわけですが。歌劇の座談会とか読んでもほんとに楽しみしか無かったです。
歌劇の座談会で知ったのですが、ずいぶんと原作と役どころが変わった人物が多いようで。まっつの雪丸は元々原作では1ページもないくらいの出番しかなく(しかも回想モード)…それをまっつが演じるんだからそりゃぁ大幅改変入るキャラだとは思っていたけれど。

ちなみに原作本は文庫で1冊、漫画だと十数冊…ということなので楽をしようと文庫版を読みました。

…うん、読みやすい。読みやすいんだけど、どうしても「女」っていう性が男から見た「女が魅力的」「女という生き物はこういう生き物だ」みたいなのが透けて見えるのがなぁ…うーん。

以下、ネタバレ大いに含みます。

後からちょいちょい追記してます。

一夢庵風流記 前田慶次

原作とくらべて大いに改変が入ったのはまっつの雪丸(なぎしょとの兄弟関係も含めて)、ともみんを筆頭に傾奇者達(原作だとともみんはえりたんに挑んで立札で突き殺されるし)、みゅーちゃんの捨丸はその役どころの大半がともみんに移ったからずいぶん削られた印象。
ただ、座談会でともみんの改変と、まっつの扱い(雪丸の改変は配役出た時点でわかることだし)について読んだ限りでは、原作にある「毒」というか「(慶次郎に向けられる)悪意や害意」みたいなものをものすごく薄めたり(ともみんが殺されなかったり、慶次に心酔したり)した上で、伽耶姫ではなくまつをヒロインにしたことで(まぁ時間の都合もあるんだろうけど)朝鮮でのあれこれもカットして…と、ドロドロした部分をかなり薄めて、こういう言い方は賛否両論だろうけれど『タカラヅカ的』な爽やかさを入れたような印象。改変についてはそれこそ思うところがある人も多いだろうけれど、宝塚で上演し、客層の大半が女性ということを思うと原作の「毒」が薄まってるのは取っ付き易く思えるんじゃないかと思います。まして退団公演でもあることだし。

そんなこんなで見てきたんですけどもね。

松風すごかったよ!! プロの技ってすっごいね! ハリボテや映像では出せない迫力が全然違いました。

話の筋としては、原作のめぼしいエピソードを拾いつつ、天下人の腹の黒さをあぶり出しつつ、何者にも属さない慶次の姿…だったんだけど。果たしてあれをハッピーエンドとするかについては…ううむ。ハッピーエンドとは…言い切れないのでは…少なくとも不幸ではないけども。
原作読んだ時から見たかった、太閤に頭を下げたくないから髷を横に結って(しゃれこうべ柄の着物で)御前に出るという場面、それから、その後で身なりを整えて「涼やかな武者ぶり」と褒め称えられる場面、でもって莫逆の友との別れの場面。欲を言えば吉継との場面もあったらよかったのになぁ…と思ったけどそこまで欲はかくまい。

幕あきからスクリーンに映し出される望月と松風、それを捕らえようとする忍びたち…とあるから全くの冒頭の、松風を手に入れる場面なのかと思ったけれどもそうではなく、既に慶次のものになっている松風を奪おうとする場面。ここで捨丸の兄が殺されている(みゅーちゃんの絶叫が入ってる)のはほぼほぼ原作と同じ(原作では弟だったけど)で、ただしみゅーちゃんの捨丸はこの兄の名前を受け継いだ「妹」。
ここのスクリーンに映る暗器を叩き落とすえりたんは流石にかっこいいんだけど、如何せん長いかなぁ…って。恐らくは忍の術によるものなのなんだろうけど、あの仁王の部分はいらんのでは…
そんなこんなで暗器を叩き落とし、賊を退けたところでタイトルが映し出され、開演アナウンスが。

まずね、利家のニワさんがね、すごく良かったんですよ。とても軽妙で、かつ情けなくて。でも悪い人ではなくて。これが槍の又座の成れの果てかと思うと…月日は残酷なものですが。
ただのコメディ担当ではない、ちゃんと話の筋として、慶次の破天荒さの前では滑稽者になってしまう、というのが見て取れる利家でした。

もう一人のコメディ担当…というか、たくさん笑いを取っていたともみん。ともみんの約は大幅に改変されていて、四条河原で高札立てるところまでは同じだけどもそこからが殺されずに、逆に心酔してしまって原作の捨丸のポジション(とはいえ動機はとってもポジティブ)で腰巾着に。あと、原作の「足一本100貫」の場面もともみんがやってたかな。
いや、しかしこの良くも悪くも素直すぎる(慶次とは違う意味でガキっぽい)ともみんは本当にいい役でした。
最後に長谷堂に馳せ参じた場面で、ともみんの胴鎧に「大ふへんもの」と書いてあったのだけれど、これは高札の字を間違えるレベルの誤字キャラに書かせて「武辺者ではござらん不便者よ」と言い逃れるネタなんだろうか。深読みしすぎか。
それにしてもシャルウィのドニーさんでヘイリーさんを振り回した仕返し10倍返しを食らっているとしか…ご愁傷様というかお幸せにというか。

あゆっちはとても…とても理想のまつでした。若々しい考えなしな所もなく、かといって慶次に対して過度に色気を振りまくでもなく、楚々とした貞淑さをちゃんと持ってるまつでした。
…いや、結果として逢引しといてなにが貞淑かという面もあるかとは思うんだけど、あゆっちのまつは「荒子時代の慶次」にずっと操を立ててるんじゃないかと思うととても…すとんと。

そんなあゆっちに頭が上がらないえりたん。えりたんのいたずら心を忘れない、いい意味での「子供の心」がこんなにたくさん魅せられる演目はそうそうないんじゃないだろうか。まつに「返事は」と言われて不貞腐れたように「はい」と返すその面白くなさそうな、でも不愉快ではないような空気感。
(原作の)慶次は大柄で膂力に溢れているから、割とぞんざいな戦い様をしても凡人には負けないんだけど、えりたん(に限らず)は皆似たような背格好なので、鷹揚に立ち回ると本当に強いのかわからなくなる…この一太刀はどれほどに重いんだろうかと。
まっつにむかって「ばーか」と軽く言い放つえりたんのこの自然体なことといったら…! その後にあゆっちも「ばーか」って言うんだけどこの「真似しちゃったー」みたいなのがなにこれなにこれ…!!

そんなえりたんを莫逆の友と呼ぶちぎたん。
…いや、今回えりたんとともみんがとても派手な衣装だから、家老なのに…いや、真面目な家老だからか…地味! すっきりしてるんだけどさ。ギラギラしてない。
慶次を斬る場面はうっかり泣きそうになりましたね(本読みながら泣いた)。

ちぎたんの妹にしてあゆっちの側仕えのせしる。
いや…あの…まっつとのラブシーンというか、まっつに迫られてるあの場面がものすごく…色気だだ漏れててどうしようかと思ったんですよマジで。

そんな色気半端ないまっつ。ラスボス感漂うせり上がりから…後ろを向いた瞬間のこの松永久秀感たるや(無双ゲーマーにしか通じないよ)。…お衣装の背中がさ…蜘蛛の巣だったんだよね…松永久秀っぽい。とても。
しかしまっつの役は大幅改変で一番扱いと出番が変わったからか、今ひとつよくわからないキャラというか。
・なぜ、家康に組みしようとしたのか。
・なぜ、せしるに近寄って奥村家に入り込もうとしたのか。
特に後者ね。まっつ自身が「忍の家に生まれ」と言っているから四井家は名字帯刀とはいえ、かろうじて士分、みたいな家と思われるわけで。だから野心を持つのは当然としても、そんな身分の低い家から小姓になれたんならもうその時点で勝組出世コースに乗れてるやん? と。どうやって小姓になったのかはわからんけど…まぁ傾城の美貌な雪丸をどうしても小姓にしたかった利家が立場に物言わせてどっかエエトコの養子にして召し抱えればいいんだけど。そんなこんなで小姓からお年寄りくらいのコースには乗れてるのにわざわざ後継が決まってる家老の家に入り込んで貶めようなんてそんなハイリスクローリターンな真似は似つかわしくないように思うんだよね。
何回か見たら勝手な解釈が生まれるのかもしれんけど。

最後の場面で加奈とすごく清らかに手と手を取り合っている姿がどう見ても彼岸だなぁと思っていたら、実際もうあの場面では加奈も死んでいるそうで(まつの「自害は許しません」は間に合わなかったんだろうなぁ…)、まっつの雪丸もあの蜘蛛の巣模様の着物ではないから、雪丸自身もいろいろな柵から解き放たれてあの笑顔なんだろうかと思ったらすごい…泣けてきた。
結局なんで「小姓」っていう陽の目を見られる役職を勝ち得たのにわざわざ家老の家に取り行ってry…っていうアレなんだけど、心底では加奈に心惹かれてたけども加奈(家老のご息女)と雪丸(小姓にはなったけど家は辛うじて士分みたいな忍びの家柄)では身分が違う→屈折して「これは愛などではない、自分が加奈に近寄ったのはあの家を利用するためだ」みたいな自己暗示からの自縄自縛だったりしたのがあの背中の蜘蛛の巣とかだったらなんかこう…うん。
…いやほんとに私の妄想甚だしいんですけども。

そういえば今日は火縄銃の音、鳴らなかったよね…? 構えて…あれ?

次に見た時はちゃんと鳴ってました。初日トラブルか…

そんなまっつの弟なぎしょ。兄譲りなのか腹の中にとても黒い生き物を飼ってて、それが表に出たあの瞬間に利家への忠義なんて(元からあったのかは怪しいけど)消え去ったんだろうな。

全ての黒幕である家康のヒロさん。
いかにも怪しげな漂泊者で、あれーこれって…正体家康…? と思っていたのに火種とかどかーんとか言うから…なにこの隠しきれない松永久秀感。………私はいい加減松永久秀の亡霊から離れるべき。
しかし終盤突然太閤の乗ってた輿に乗って現れて、「太閤が死んで2年…」ってえええ2年!? 割とその間にいろいろいろいろいろいろあったよね!?

秀吉のはっちさんは絵に書いたような秀吉でした。天下人となって、傲慢になった秀吉。そこには好々爺の影はなくて、ただ傲慢な天下人がいました。

そんな秀吉のブレーン、黒田官兵衛のきんぐ。
そう、官兵衛ですよ。
なんで隻眼?
確かに有岡の土牢暮らしのせいで足が萎えてるのはわかる。でも隻眼? 足が悪くて隻眼ってそれ山本勘助の方じゃなくて? っていう違和感もりもり。
そもそも原作には出てこない官兵衛を出してきたのは今年の大河だからなんだろうな、って。プログラムの人物紹介(びっくりするくらい全員の解説ついてた)にも「詳しくは大河で!」だったし。
…今年の大河が官兵衛じゃなかったらこのポジションは三成だったんだろうな。

そんなきんぐ官兵衛に嵌められた感のある北条氏規こと朝風くん。氏政のたじぃといい、北条兄弟体格良すぎィ
太閤の前で、褒美をつかわされる慶次と、宣戦布告される氏規との対比がな…あの場面な…太閤の傲慢さがよく出てたと。

あとはその他の武将たち。
聚楽第で旗印が4つならんでそれぞれ前に立ってる時くらいしか個別認識する場面がなかった…ような…そして豊臣に下った大名ということなら島津は義弘ではなく義久のほうがよかったのではないかしらん…

大ちゃんの直江は…ツッコミどころらしいところは最後の長谷堂くらいのもので。
いえね、そりゃ直江といえば、大河もやったことですし、あの愛の前立てを被らせたいのはわかりますよ。わかりますけどね? あんまりにも他の具足が足りなさすぎですよ。あんな大将兜被ってるのに、具足が胴鎧…と申し訳程度の草摺…明らかに飾り兜と見あってない…! そんな、拾った兜を代わりに被ってる足軽大将じゃないんだから…ざんねん…

みゅーちゃん。
女の子になったり死んだりと扱いが大きく変わった役その3。少年でも少女でもない不思議な性別でした。…気になったのは袖かなぁ…狩衣の袖から手が出てない場面がたくさんあったのと、そもそも袖が抜けそう。寸法あってないのかな…?

2週間してから見たら随分マシに(相変わらず袖は長いんだけど少なくとも抜けはなくなってたので補正されたのかな…?

そんなみゅーちゃんの兄嫁になるはずだった忍の加賀ことヒメ。精神的にアレなところがあるのか、みゅーちゃんを杖で殴った後で「痛かったかい…?」とかなにこのヤンデレ。結果として兄嫁にならんでよかっry
そんなヒメとゆきえさんが二人で銀橋で歌って、その他客席登場の下級生含め舞台に娘役オンリー! な場面はもうほんとにどこ見ていいやら。

で、ですね。

詰め込みすぎ。

そりゃ時間足りなくなるよ! いっぱいいっぱいだよ! 唐入り部分全部カットしてもかなり詰め込んでるよ!
あと、ラストシーンでまっつとせしるが中よさそうに手を取り合うのも納得いかない…! 死んでも仲睦まじくなんてなりそうにないのに…!

いや、間違いなくトータルでは楽しかったんですけども。

My Dream TAKARAZUKA

お芝居で文字数取りすぎた…

ショーはほんとに…あっと言う間で。あえてなにを言うことも思いつかないくらいに終演後は抜殻であったのですが。
ちぎみゅーのコンビ可愛いなぁ…とか思ってました。今回はこのみちゃんもソロで歌ってるのでなんて私得。
あとはジゴロの場面だっけか、はけ際に朝風くんがきゃびぃをひょいっとお姫様抱っこをですね…ええ…ひょいっと…

あとは

みとさんが踊ってる!!

って割とびっくりしたことをまず(それかよ)
でもって

ネコ!!!

サイトーあたりがネタをパクられたと思ってはいないかと(RSFのウサギと顔ぶれ若干被ってるし)。

…って思ってたらあの場面の演出はサイトーだそうで。…趣味全開だな…!
そういえばこの場面で朝風くんがはけ際にきゃびいをひょいっと(ほんとにひょいっと)お姫様だっこして走って(!)はけているのですが…何このイケメン。

それから、退団者の場面がですね…ありましてですね…
真っ白い衣装のえりたんが歌う中で、あだちゅうが一人で踊り出てきて、そこから学年順に次々と退団者が出てきて、ゆめみさんの次はまっつかな、と思ったら…あゆっちで。まっつが最後。もうこの時点でじわっと。
にわさんの歌声の中で躍る退団者。周りの生徒も全員真っ白な衣装。

テーマ曲も直球で退団ソングなもんだから、もう毎日がサヨナラショー状態なんじゃないのこれ。

まっつのエトワールは本当に、割れんばかりの拍手でした。

2週間後に見てもやっこのまま、千秋楽とかどないなるんやろう…。

お芝居に脳内の場所取りすぎてショーについてはほとんどウロっていう…あるぇー…手拍子とかたくさん入ってたんだけどなぁ…
あ、カリさんはまたヒメと組んで踊りながら歌ってましたね。
…次はもうちょいしっかり落ち着いて見ようと思います…

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