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Kyoto Sanga F.C. & Takarazuka Review and etc.

月組『Bandito-義賊 サルヴァトーレ・ジュリアーノ-』バウホール

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たまきちバウ。初日のチケ持ってたのに仕事休めなくて藁しべ長者して別の日に見てきました。
正直、思ってたようなラストシーンではなかったけど、そんなのは些細なことでしたね。月の95コンビの押し出しの強さもさることながら、としの漬け物石のような存在感だったり、何よりたまきちの真ん中っぷりの揺るぎなさを目の当たりにして、マジで月組さんここから5年以上小揺るぎもなしの安泰だなって思いました。

ていうか大野くんの趣味がぎっしり詰まったプログラムでしたね! いいんだけど!

サルヴァトーレ・ジュリアーノ|珠城りょう

たまきちの恵まれた体格が本当に似合いの役柄でした。ほんとにたまきちにはしゅっとしたスーツや、宮廷貴族よりも、こういうトレンチとか革ジャンがハンパなく似合いますね! 武闘派、ただしむさ苦しくはない、ってほんと宝塚に理想の武闘派キャラクターですよ。

シチリアのホテルでダンサーをしていたところ、マフィアのボスのまんちゃん(の部下の有瀬くん)にはめられて投獄されそうになり、逃げ出した先でヒロさんに憲兵のるねくんともども丸め込まれてあれよあれよと大山賊団サルバトーレ組に。
こう、自分の意識や決意がつくまえに、立場を与えられてしまうというのが一昔前のたまきちを見るようであったのですが、終盤、迷いが晴れたたまきちの姿はまさに「今」のたまきちの姿と被るわけで。
ストーリー展開にはまぁ言いたいこともありましょうが、よく出来た脚本と演出だと思いました(ちょう上から)。

過去の恋人のときちゃん(叶羽時)との回想シーンが割と唐突ではあったのだけれど、それでもときちゃんが「ユダヤ人だから助ける術はない」でだいたいの別れの理由が伝わるからほんとにこの作品、台詞とか言い回しがとねも端的。過不足なしというか、少し足りなくて、でもそれくらいは容易に補完できる程度。その分他のところに尺を取ってるというか。

それにしてもパレード、たまきちを迎えるために皆が一列に並んだから端から駆けて出てくるのかと思ったら…バイクで出てくるとは。完全に意表を突かれましたわ。

あと、デュエダンで真っ白な衣装で出てきたたまきちを見て、いつか必ずやってくる「その日」が待ち遠しいと思いました。早く来い、ってんじゃなく、いつ来ても大丈夫だと。後は待つだけ。
デュエダンといえば、あのとんでもなくアクロバティックなリフトな! しかもあんなけ回すか! っていうね! 昨今若手バウですらなかなか目にしない膂力溢れるリフトでした。パネェ。

冒頭、たまきちが一人で舞台に立ってるのを見て、そういやアリスでも冒頭一人場面だったよなぁ… うさみみで。とか思い出したりもしつつ。当時から飛び抜けてたけどほんとに盤石になってるなぁ…。

アマーリア|早乙女わかば

シスター見習いのわかばちゃん。ヒロインとしては…彼女の「幸せ」とは何だったんだろう、と思うラストでした。修道女として、修道院を再建して神に仕え続けることが彼女の「幸せ」だったんだろうけれど…あまりにも自己犠牲というか、無私の精神で。
もちろん、誰かと結ばれることが幸せの固定形ではないけれど(ただ宝塚では愛する人と結ばれることこそ史上、となることが多いのも事実)彼女にとっての「愛」とは何だったんだろう。たまきちからの置き土産は確かに一つの愛の形ではあったのだけれど、それを糧にこれからの修道女としての人生を生きていく、ってのとはなんか違うように思えたというか。別にそういう愛を諦めて修道女になったんじゃないし。

ヴィトー・ルーミア|宇月颯

今回の役柄は、はじめの方、とても無気力な立ち居振る舞いと話し方で、とても「うつろ」だったんですよね。でもまさかそんなキャラなまま終わるわけもなかろうと思っていたら、虚ろな仮面を脱ぎ捨てたらとても義に熱い…というとなんか違うな。別に仁義にどーのという感じではないし。でも「筋を通す」ことには並大抵でない人物でしたね。
たまきちに対してはどこか兄貴分(そんなに優しくもないけど)な空気で、筋道を示すわけではないけれど、間違ったほうに伸びようとした枝はたたき切ってくれたような。

そんなとしの過去エピソード。これまた妄想想像で補完するのに絶妙な量の書き込みですね大野くん。
昔の仲間役の颯希有翔くんが去り行くとしに向けた台詞がね! あの一言に込められるあれやこれやってすごく多いと思うんですよ。たった一言なのに、すごく情報量が多い。

フィナーレのとしがほんとにハンパなく格好良くてですね! たまきちの着替えに要する時間を一人で歌い継いでるし、フィナーレの冒頭も真ん中で踊るしほんとにかっこいい。

サルヴァトーレ・ロンバルド|輝月ゆうま

あーさと二人でたまきちの両脇をがっちり固めて、なんていうかこの先10年月組安泰だなって思いました。
冒頭から歌うのもほんとにもう余裕を感じますね。マイクいらなくね? ってくらい。

役柄としてはたまきちの弟分で、割と知的? あーさが猪突猛進で偽悪ぶるのも好きそうなのに比べて冷静そうに思えました。

それにしても落とし物が多かったまゆぽん。
胸ポケットに入れるにはどだい大きすぎる銃器を身を翻した時にがしゃーんと落としたり(収納場所に無理があるよあれは)、としに突き返された札束をバイクの座席に放り投げたものの、バウンドして床に落ちてそのまま未回収のまま捌けることになったり。

そういえば1幕最後、たまきちと別れるかもしれない場面で「生きてまた会えたら謝りたいことがある」って言ってたように思うのですが結局まゆぽんはたまきちに何を謝らなければならなかったのだろう。謎。

ガスパレ・ビショッタ|朝美絢

髭も似合うねあーさ!
まさか冒頭、上手から現れていきなりたまきちから歌い継ぐとは思わなかったですよ。新公やったからかほんとに安定してるなぁ…
るうくんにはめられて、処刑されそうになる場面とかもうまいなぁと思っていたのですが、そんな跪いたあーさを強引に立たせるたまきちがですね、まさに「強引に立たせる」といった体格差でしてね。あーさもそんなに小さいわけではないのに、そんなところでたまきちの大きさ(体格だけでなく)を感じたりもしたのでした。

演目決まって配役出た時にてっきりあーさが最後にたまきちを暗殺するんだとばかり思ってたんだけど、なんか綺麗に元サヤになった上で見送ってるしで…ちょっとぽかーん。綺麗に終わりすぎた違和感はある。

マリアンナ・ジュリアーノ|真愛涼歌

姐さん。
ジュリアーノを一族の誇りと祭り上げ、山賊団の身代金報酬の上前をはねるような姐さん。
どうにもこうにも、たまきちの名前を笠に着てるようにしか見えなくてなぁ…

他の山賊たちは1幕はそんなに出番というか、掘り下げなかったんだけど、2幕のラスト、スミスと星輝つばさくんかな? コーラスがものすごい綺麗で。

ジェンコ・ルッソ|貴千碧

マフィアで表の顔はホテルオーナーのまんちゃん。
登場人物の中で間違いなく一番強い(権力的な意味で)んだけど、たまきちやまゆぽんに見下ろされるその体躯w
一番のボスのはずなのに…微妙に足りないラスボス感。

としのことは「アメリカマフィアからの預かり物」だから側近にしてるけど正直扱いづらいんだろうな…てのがあからさまな関係でした。
借り物じゃなかったらどたまかちわったるって言ってたし(そんな言い方はしてません)
それはそうととしの襟を掴もうとして見事に空ぶってましたねボス…

マフィア以外の場面、特に幕開きでスーツで踊ってるところとかほんと格好良くて私、まんちゃんのダンス好きだわぁ…って。

そんなボスに仕えるホテル支配人の有瀬そうくん。どう見ても雇われ支配人ですほんとうにry
けど有瀬くんもしっかりソロがあって、ほんとに見せ場たくさんでいいなぁ…

マイケル・スターン|千海華蘭

可愛いからんちゃん…じゃなかった。いや、いつまでも可愛いままではダメなんだけど。からんちゃんは決して大きい方ではないけれど、その体格が活きるキャラだったと思います。ジャーナリスト(というよりは軽いパパラッチみたいな空気感)で、実はアメリカの息のかかった人間。
小心者と見せかけて、実はとても強かというキャラクターがとても似合っていました。さちかとの対決姿勢はもっと鮮明でもよかったかなぁ…とも。

ソロも割と長くあって、からんちゃんの歌声がこんなに聞けるとは。今回、ほんとに色んな人にソロや場面があって、大野くんありがとうだわ。ほんとに。

マリア・テクラ・シリアスク|白雪さち花

プログラムの写真よりも赤い髪の色で、ツンとした立ち姿といい、常人ではない存在感。
からんちゃんとの対決姿勢(からんちゃんは軽いノリで探りを入れるけどさちかは断固拒否)に二人の背後にある国の雰囲気が垣間見えるような。

アントニオ・ディ・マッジオ|光月るう

実は今回一番の悪人るうくん。野心に溢れ、手を汚すことを厭わない上昇志向の塊。
わかばちゃんへの壁ドンは少し笑ってしまったけれど(こら)ヘタレじゃないるうくん、よかったですよ。ヘタレじゃないけど最後のあれこれも悪党になりきれなくて小悪党で終わってしまった感じ。まんちゃんが面目躍如で全てを手に入れたというか。
わかばちゃんと咲希あかねちゃんの継母子ともに嫁と愛人にするとかそれなんて神をも恐れぬ所業かと。まぁあのるうくんは神とかそんなものより現実的なお金を愛してそうだからさちかのことも利用出来るならソビエトとかどうでもいいしーだったんだろうか。

そんなるうくんと愛人関係にあるわかばちゃんの継母、咲希あかねちゃん。
いやーこのちゅーちゃんがですね! ほんっとに「貴族」意識にどっぷり浸かった奥様でね。平民が殴りかかってくるなんて夢にも思ってないタカビーさですよ。物理で殴られたら勝ち目なんて無いのに、それを全く思いつきもしない。平民もそれを思いつきもしないところへ、たまきちが「うるせえ!」とばかりに銃を乱射したからお互いの目が覚めたんだけどさ。

ジュゼッペ・マンチーノ|夢奈瑠音

憲兵のるねくん。ずいぶん顔も痩せてきて、でも元が甘めの顔立ちだからこういう「権力者側」の役柄が似合うよね。今回で言うなら貴族にはなれても山賊には向かないというか。
黒いマントと憲兵の衣装がほんとによくお似合いでした。軍服は軍服でも、こういう19〜20世紀の軍服似合うね。多分三島由紀夫のあの制服とかも似合うと思う。でもベルばらとかの軍服はまた違うんだろうなぁ…
歌がなかったのは少し残念ではありますが、ダンスも上手いからフィナーレも格好良かったなぁ…

そんなこんなで終始目が足りないし、見所しかない演目でしたよ…いやーレベルたっかいわ…だってあんなけ色んな人が歌って踊っても誰一人おうたヽ(・ω・)/ズコーとかダンスヽ(・ω・)/ズコーな人いないんだもの。平均値高すぎ。

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